マティスが好きな大学生の日常

ふつうの大学生のふつうの日常です。

恩田陸『六番目の小夜子』

 学校という容れ物は、毎年卒業生を送り出し、新入生を迎い入れる。
 そして、その容れ物自体は、形を変えることもなく、同じところにずっと存在し続ける。

 その閉塞された空間の中で、同じ歳の多感でフラジャイルな高校生達が、ずらりと机を並べ、その不自然さになんの疑問も持たずに、受験勉強をし、行事をこなして、毎日を過ごしている。

 進学校ではごくありふれたつまらない光景なのかもしれないが、この学校の彼らにだけは、なんだか訳のわからないカンフル剤みたいな怖い伝説が吹き込まれる。
 学校という容れ物に脈々と伝え続けられている謎につつまれた小夜子伝説。


 3年に一度小夜子は選ばれる。

 小夜子を受け入れた者は、始業式のあさ、真っ赤な花を因縁の花瓶に活けて、意思表示をしなくてはならない。
 そして、自分が小夜子であることを、けっして人に悟られてはいけない。

 文化祭の日、小夜子は、とんでもない何かを起こす。

 小夜子が文化祭で成功すると、その年は吉となり、受験も成功するらしい。
 しかし、もし失敗すると、恐ろしいことが起こるらしい……?!

 小夜子は、誰が選ぶのか?
 何のために選ばれるのか?
 文化祭でいったい何が行われるのか?
 何しろ3年に一度のことなので、在校生は誰もしらない。そのハズなのに、噂だけは、学校中に駆け巡り、かえって恐怖だけが響き渡る。

 いよいよ、今年は、六番目の小夜子が選ばれる。



六番目の小夜子 (新潮文庫)

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